Lila’s diary

ユーリ!!! on ICE、DGS、アニメ、声優さん、ジョジョの奇妙な冒険、進撃の巨人、BLはファンタジー、アラフォーでアニメデビュー、TwitterID:@Lila72104791

アラフォーから見た「ユーリ!!! on ICE」

どうも。
まだ「あにこ便」の感想を読み終わってないLilaです。
ユーリ!!!の最終話のコメントが多過ぎて、読んでも読んでも読んでも読んでも終わらないんです…。

皆さんの感想や考察を読むのが楽しくて、あー!そういうことだったのね!、とか、いろいろ気づかせてもらってます。

わたしはけっこうそのまま何も考えずに受け取っちゃう方で、10話のバンケットシーンも、「まぁ、勇利ったらエロ可愛いんだから♥」とか思っただけでした(笑)

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皆さんの考察に触れて、目からウロコが落ちちゃったりしてるんですが、ここでは初めてユリオンを見終わった時のわたしの感想を書いてみたいと思います。
まだ、考察を読む前ね。

どうしてアラフォーのおばさんにもこんなに響くアニメなんだろう?と思って気付いたんですが、これは普通のスポ根ものではないんですよね。
えーと、スポ婚ものだったよね、ということではなく(笑)

よくあるスポ根ものって、才能ある主人公が未熟な状態から始まって、ピークもしくはピークの直前くらいまでのお話じゃないですか。

そして、ほとんど同じくらいの年齢層同士で戦ってる。
それは、主人公が小学生だったり、中学生だったり、高校生だったりするから。

でも、ユーリ!!! on ICEは、3人の主人公の最年長と最年少の年の差が12歳もある。
もうすぐ舞台を去る者と、これから舞台で輝く者。
そして、まだ輝いたことがない者。

年齢層高めの視聴者は、そこにある種の共感を覚えるんじゃないかなって…。

わたしくらいの年齢になると、フィギュアスケートと言えば、伊藤みどりさんだった時代を知っているんです。
伊藤みどりさんが負けるところなんて、見たこともないくらい。
また勝つでしょ、という安心感でテレビを観ていました。

そして伊藤みどりさんが去り、しばらく日本が勝てない時代が続きます。
村主さんや荒川さんががんばってましたが、勝てないだろうなぁ、と思いながらテレビを観ていました。
(ファンの皆様、すみません。テレビをつけてフィギュアスケートをやっていたら観るくらいの知識しかない素人の感想です。お許しください。荒川さんがオリンピックで金メダルを獲ったのは、ちゃんとテレビで観てました!)

男性のフィギュアに至っては、かろうじて本田選手ががんばってるな~、くらいの印象でした。

それが、安藤美姫さんと浅田真央ちゃんの出現で大きく変わりました。
特に真央ちゃんの強さといったらとんでもなくて、子どものころに伊藤みどりさんを安心して観ていたような時代がやってきました。

でも、その浅田真央ちゃんも勝負の世界から引退しました。

海外に目を向けても、皇帝と呼ばれたプルシェンコさんも引退し、さっそうと現れたリプニツカヤ選手も引退してしまいました。
代わりにメドベージェワ選手の時代がやってきました。

他にも素人のわたしが名前を覚えているだけでも、ミシェル・クワァンやサーシャ・コーエンなど、いろんな選手が輝いては、いつの間にか勝負の世界から去っていったわけです。
(勝負の世界から去っても、他の舞台で輝いている方も多いと思います。ただ、わたしのような素人の眼には映らなくなったという意味です)

ちなみに、ここまで記憶だけで書いてます。
ほかにも素晴らしい選手はたくさんいたはずです。

どんなに強い輝きを放った人でも、いつかは輝きが曇り始めて、最後には舞台を去っていってしまう…。
今もっとも輝いている羽生選手もいつか同じ道を辿るでしょう。

その経緯を何度も観てきた年齢層にとっては、ヴィクトルの輝きはもうすぐ失われるのだろうな、という予感めいたものがあるし、23歳の勇利くんの焦りもよくわかるんです。

そして、まさにこれから輝こうとしているユリオもいつか…。

これは何もアスリートに限った話ではなく、わたしのような平凡な人間でも感じることです。

30代前半、がむしゃらに働いて、それでも自分の成長が楽しくて楽しくてしかたがなかった時代から、だんだん体力が落ちてきて、昔のようには働けなくなってきて、でも若い子はどんどん成長してきて、わたしががむしゃらに働いて毎日楽しかったように、がむしゃらに働いて楽しそうにしている…。
そして、自分たちと同じようにはがむしゃらにならない上の年齢の人たちに不満を持つ…。

自分もいずれは同じようには働けなくなるということに気付いていない、若さゆえの傲慢におばさんはわずかの嫉妬と哀れみを感じてしまうわけです。

それと同じことが、ユーリ!!!の世界でも起こってる。

わたしは久保ミツロウさんと同年代です。
おそらく、ミツロウさんも同じように輝いては消えていった選手たちを見てきたと思います。

だからこそ描ける世界というか、おばさんも共感できる世界になっているのではないかと思うのです。

わたしが最初に感じたユーリ!!!への熱い想いは、輝きの最高峰に昇りつめた人への羨望。そして、これから輝こうとしている人へのエールと、今は若くて気付いてないかもしれないけど、いつかあなたにも終わりがくるのよ、というわずかな哀れみ。
それでした。

たった数年の輝きのために生活のすべてを捧げて、そのあと彼らはどこにいくのだろう…?
そんな諸行無常を感じずにはいられないのと同時に、それでも全力で輝こうとする姿に心うたれてならないのです。

『僕たちの競技人生は短い』
『僕の競技人生はピークを迎えようとしている』
『グランプリファイナルが終わってもまだ何年も彼らの戦いは続く。完結しない物語ほど魅力的な物語はない』
という勇利のモノローグ。

それに対して、ユリオの『さっさと引退しろ、バーカ!!!』や、オタベックのあの名言の数々も「これからの人」ゆえのもので、この対比がまさに諸行無常を表していると思うのです。

それでも、リリアさんの 『過去の自分は死にました!何度でも生まれ変われる人間が強いのです!』というセリフは、「わたしたちはいつでも生まれ変われるんだ」という勇気を与えてくれるし、オタベックの『生きろ、お前の生を』『やり尽くせ、遊び尽くせ、見つけ出せ、お前の道を。そして、その上を行け。始まりの時は今だ。自分を生き抜け』には、まだまだやれることがある、という強い気持ちが芽生えます。

これが、アラフォーでさえ虜にしてしまうユーリ!!!の魅力のひとつではないかと思うのです。

たくさんの人に、たくさんのエールを送ってくれるこの作品を世に出してくれた山本監督と久保ミツロウさん、そして製作陣、その他関係者の皆様、本当にありがとうございました。